2ちゃんねるで呼びかけられる 「おまえら」はネット上の幻想人格だった!?
「実際の2ちゃんねるユーザーは、男女比が6:4。30代から40代の男性が一番多いようです。『おまえら』を地でいく人というのは少ないと思いますよ」(井上氏)とのこと
「また、おまえらか!」
様々な事件や記事がネットで話題になったとき、2ちゃんねるのスレッドで、この呼びかけをよく目にします。いったい『おまえら』って…? ここ最近、「また、おまえらか!」という書き込みがあった記事をいくつか挙げると、次の通り。
『「2次元の女にしか興味が持てない」猟奇的犯行は“鬼畜エロゲー”の影響か?』
『河川敷で護身術として包丁を投げる練習をしていた無職男(31)を逮捕』
『「女性の声を聞きたいが、生身の女性とはしゃべれない…」“音声ガイダンス”に500回電話した男、逮捕』
これらの記事に登場する人物像を見て、みなさん「またおまえらか!」と書き込むわけですが…どうやら、一般的に「おまえら」=「2ちゃんねらー」のことを指しているようです。
では、ここで疑問がひとつ。ここでいう『おまえら』は、いったいどんな人格の人を指しているのでしょう? 『2ちゃんねる宣言 挑発するメディア』(文藝春秋)の著者で、約10年間2ちゃんねるを取材し続けているジャーナリストの井上トシユキ氏に、『おまえら』像についてお聞きしました。
「まず誤解してほしくないのは、ここでいう『おまえら』と呼ばれる人たちは、実際の2ちゃんねるユーザーのことではありません。あくまでも、ネットユーザーたちが、『2ちゃんねるに書き込んでる奴らって、こんな感じだろう』と考えて『おまえら』と呼んでいる“ネット 上の幻想人格”にすぎないんです。そこに留意して考察すると、次のような人格が浮かび上がります。彼らは『おまえら』をこのような人物だと思っているのではないでしょうか?」
●20代後半〜30代の独身男性
●ひきこもりやニート。フリーター。正社員は少ない
●マンガやゲーム、アニメなどが好きだが社会性がないわけではない
●三次元の異性に対して興味はあるが消極的
●他人と付き合うなど社交は苦手(億劫)
●学生時代は帰宅部。もしくは文化系部部員。運動系だったとしても、卓球やバドミントンのようなマイナー系の部に所属
●イヌよりもネコ派
●悪ぶっている男性を「DQN(ドキュン)」と呼んで嫌い、流行を追いかけている女性を「スィーツ(笑)」、10代を「ゆとり」と呼んで馬鹿にする
●企業とマスコミが嫌い
●社会に対しての正義感を持ち、利権団体の批判や、国家の陰謀論に敏感
…と、これがネット上の幻想人格『おまえら』の人物像だそう。この項目に当てはまろうが、当てはまらなかろうが、あくまでも『おまえら』は虚像にすぎないようなので、「…えっ、俺のこと?」なんて焦らなくてもいいみたいですよ。
(篠本634/short cut)