民主党vs官僚、はやくもバトル勃発! 駆け込み天下りも…

民主党と官僚のバトルがついに勃発した。官僚OBをトップにする消費者庁が1日に発足したが、「脱官僚主導」を掲げる民主党政権交代後の長官交代を模索する考えを表明したのだ。敵対心をあらわにする官僚がいる一方、民主党詣でを始めた巧者や、駆け込み天下り も目立っている。



「なぜ、急ぐ必要があったのか。われわれが政権を獲った後なら、もっといい形にできた。(変更する)可能性はある」

 民主党鳩山由紀夫代表は総選挙圧勝の翌31日、自民党消費者庁設置を前倒しし、初代長官に内閣府内田俊一元次官を押し込んだことを、こう批判した。

 消費者行政の一元化を担う同庁だが、1日に見切り発車したため、苦情・相談を受け付ける「ホットライン」は間に合わないまま。入居するのは年間賃料8億円という民間の高層ビル。16日に鳩山首相が誕生した後、長官人事などが白紙に戻る可能性が浮上している。

 民主党は政権発足後、官僚主導に対抗するため、予算の骨格や中長期の外交・安全保障戦略をつくる「国家戦略局」を設置。行政全般を見直し、予算や制度の精査を行う「行政刷新会議」を立ち上げることを表明している。

 これに対し、同庁関係者は「人事の見直しなど簡単にはできないはず」とウソぶく。

 一方、民主党に接近する官僚らもいる。

 1日午後、財務省丹呉泰健次官と金融庁の三国谷勝範長官が、鳩山氏に面会するため、永田町の民主党本部を訪れた。総選挙後、中央省庁の事務方トップが鳩山氏に会うのは初。この直前、日銀の白川方明総裁も、鳩山氏を表敬訪問した。

 永田町の議員会館でも、各省庁の幹部らが来年度予算の概算要求などの資料の束を抱えて、民主党議員の事務所を次々と訪問している。近くでは、落選した自民党大物の秘書らが引っ越し作業を進めており「栄枯盛衰」を実感させた。

 政権交代前の「駆け込み天下り」も目立つ

 厚労省出身で前内閣府審議官の柴田雅人氏は8月29日付で、同省所管の社団法人「国民健康保険中央会」の理事長に就任していた。前理事長の任期が来年3月まで残る中での交代だった。

 民主党マニフェスト政権公約)で「天下りあっせんの全面禁止」を打ち出したが、衆院解散後だけで6人の官僚OBが天下り している。

 面従腹背とも思える官僚機構を、民主党はどう突破するのか。     
                    【産経新聞


   ※掛込みだよね